動きは俊敏、威厳たっぷり。
若いオス猫には眼力でもって排除する、動物舎の、第二女王さま。
6月9日、満16歳になった。腎臓マーカの数値はさがったけれど、獣医さんは「マーカの数値はよく変動する。さがったからといって腎臓機能が回復したわけではない」と。
確定診断はだせないけれど。慢性腎臓病を疑って間違いなさそうなので、フォルテコールを食べさせている。
幸い、わりと、すんなり食べてくれるところをみると、自分には必要だと分かっているようだ。
小梅のちびのころの写真がない。起動出来ないガラケーや、3.5インチのフロッピーにはあるかもしれない。
公園の植栽のなか、大型犬が黒猫の子猫をみつけた。そのオーナー夫妻が子猫をどうしたものかと、その場を離れられずにいたところに通りかかった。
小梅との出会い。さっきのことのように鮮明に覚えている。「捕まえさせてくれるなら連れ帰ります」そういって、手を伸ばしたら、あっさり捕まえられた。肩と首筋の温かいところへ乗せると喉を鳴らして甘えてきた。300gを超えたくらいのちびだった。
ご夫妻は大型犬の抗がん剤治療で、同じ動物病院に通院されていた。どこかで見かけたと思ったのはそのせいだった。
訳あって四国の実家に預けたときは、当日の夜中に抜け出して迷子になった。あれほど気をつけるようにお願いしたのに、と、年老いた母を随分と責めた。
けれど、実家の母も動物舎の母も二人とも探すための労力を惜しまなかった。悪い足を引きずって近所の方々に聞いて回ってくれた。果てには、占い師にみてもらったらしい。
地元新聞に、写真掲載のうえ迷子探しの広告を数回うった。地方は新聞での情報収集がとても効果的だった。情報があると実家の母がミニバイクで確認してくれた。
実家の近くで、夜中から明け方に張り込みをして、小梅が現れるのを何度も待った。昼間は声をからして、小梅を呼び続けた。高速バスで大阪と四国を何往復もした。
数日は実家付近にいたようだったが、その後は実家付近での情報が無くなった。目撃情報は東へと移った。
最終的に東へ数キロはなれた分譲用地の更地の雑草に隠れているとの情報で、昼間の明るいときに小梅をみつけられた。
エピソードのつきない小梅。
20歳を超えてもそばにいて欲しいと思う。
ありがとう。小梅を見つけてくれたゴールデンリトリバーくん、そのご夫妻。
大きな怪我や病気もなく育ってくれてありがとう。下の子達のめんどうはほぼみない小梅だけれど。
だらしなく体を伸ばしてくれるネコの姿は、保護してよかったのだと安心をくれる。
ありがとう。
今日も平和な動物舎。
いろいろとあるけれど、それなりに幸せな動物舎。
ありがとう、みんな。