ネコの集会

トゥルーラッタッタッ
今夜の場所は桜の大木。
昼間は老人たちが鳩に餌をくれてやりながら腰掛けている桜の花壇。
夜のボクらもお気に入りの場所。
今夜はダンス・ダンス・ダンス。
ビルの隙間や家々の庭先、どこからともなく一匹また一匹と姿を見せる。

トゥルーラッタッタッ
やぁ、生きてたのかい?
高い瓦の屋根もちょっとした稽古場に早変わり。
ブロック塀はキャットウォークで準備運動さ。

トゥルーラッタッタッ
桜の影が見えてきた。逸る心をなだめて尻尾を立てる。
花壇に登って優雅に座ればまずは身だしなみから整える。
息咳きってる無様なネコはパーティーに無用。

トゥルーラッタッタッ
誰かが枝に駆け上ったらパーティー開始の合図。みんながお目当ての子にアプローチ。
そっちの幹もあっちの枝も、トゥルーラッタッタッ
夜風と木の葉の奏でるリズムに乗って、トゥルーラッタッタッ

トゥルーラッタッタッ
月が西へ傾いたらパーティーはお開き。
一匹また一匹とどこへともなく消えて行く。
今度会うときまで生きていよう。それはボクらの挨拶。

トゥルーラッタッタッ
軽やかにステップ踏んで余韻に浸る。
寝床に入って眠りにつこう。